慶應義塾大学医学部 血液内科

Division of Hematology Department of Medicine Keio University School of Medicine

診療 造血器腫瘍遺伝子パネル検査について

検査方法

検査方法

この検査は、都道府県に登録された衛生検査所(以下、検査会社)がヘムサイトを使用して検査を実施します。検査に必要な検体は、患者さんのがん細胞と正常細胞です。がん細胞は、検査のために新たに検体(末梢血、骨髄液、体腔液、組織など)を採取する場合と、既にこれまでの検査で採取され保存された検体を用いる場合とがあります。また、正常細胞は、口腔粘膜または爪から採取します。

患者さんの検体は、診療情報と共に検査会社に送られ、ヘムサイト診断薬を用いて検体から核酸(DNA/RNA)を抽出し、塩基配列解析が行われます。その後、検査会社は、得られた塩基配列データを元にヘムサイト解析プログラムを用いて遺伝子の変化を検出し、その結果を当院に報告します。この他に、患者さんの同意により診療情報や検査結果ががんゲノム情報管理センター(C-CAT:Center for Cancer Genomics and Advanced Therapeutics)*8に提供された場合は、C-CATからの調査結果も当院へ提供されます。これらの結果の解釈や治療方針の決定を適切に進めるための専門家を交えた話し合い(エキスパートパネル)が行われ、最終的に主治医に結果が返却されます。

*8:C-CAT 「がんゲノム医療とがん遺伝子パネル検査」 (https://for-patients.c-cat.ncc.go.jp)

材料準備と作成上の注意点

本検査では個人が元々有している正常細胞の特徴を結果から除くことで、腫瘍にのみ特異的な遺伝子異常を検出します。そのため、腫瘍部だけでなく正常部もご提出いただく必要があります。

1.腫瘍部

下記のうちいずれか1種類をご提出ください。

  • 末梢血:登録衛生検査所指定の採血管 2 ml以上/本 × 2本*9
  • 骨髄液:登録衛生検査所指定の採血管 1 ml以上/本 × 2本*9
  • ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE):腫瘍細胞が20%以上含まれる未染色薄切標本*10で、スライド合計の腫瘍部体積が2 mm3以上

なお、新鮮検体(組織、体腔液)をご提出の場合は、事前に登録衛生研究所へご相談ください。

検査に既存の病理検体を使用する場合は、以下の送付を紹介元病院へご依頼する場合があります。

  1. HE標本2枚 (未染色標本を作成したものと同一ブロックから作製)
  2. 未染色標本20枚(5μm厚、ノンコーティングガラス、FFPE)
  3. 病理診断書のコピー
  4. 病理検体送付/受領書

*9:DNA,RNA用として各1本ずつ必要です。
*10:FFPE標本は日本病理学「ゲノム研究用/診療用病理組織検体取り扱い規程」の推奨条件に基づいて作成してください。他の患者さんの材料によるコンタミネーションを避けるために、切片作成時は材料ごとに新しいミクロトームブレードをご使用ください。

2.正常部

口腔粘膜をご提出ください。うがいが難しい場合などは爪を使用することも可能です。検査提出までは冷蔵保存をお願いします。

  • 口腔粘膜:口腔内を水で十分にすすいでから、スワブを用いて左右の頬の内側を10-15回擦過する。採取後は直ちにスワブを1時間風乾し、滅菌容器に入れる。
  • *11:爪と指の隙間をよく洗い、垢やゴミをできるだけ取り除く。各指の爪を採取して、輸送容器に入れる。

*11:患者以外の爪が混入しないように、患者専用の爪切りを使用してください。マニキュアなどはあらかじめ取り除いてください。

詳細に関しては下記PDFをご確認ください。
ヘムサイト 材料準備と作成上の注意点(https://www.otsuka-elibrary.jp/pdf_viewer/?f=/product/di/hme/tekisei/file/hm_teki_01.pdf)

参考資料

慶應義塾大学医学部がんゲノム医療センター/腫瘍センターがんゲノム医療ユニット ホームページ
https://genomics-unit.pro
国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター ホームページ
https://for-patients.c-cat.ncc.go.jp
造血器腫瘍ゲノム検査ガイドライン 2023年度版
http://www.jshem.or.jp/genomgl/home.html