慶應義塾大学医学部 血液内科

Division of Hematology Department of Medicine Keio University School of Medicine

診療 造血器腫瘍遺伝子パネル検査について

造血器腫瘍遺伝子パネル検査:ヘムサイトについて

ヘムサイトの開発

ヘムサイトは大塚製薬株式会社と国立がん研究センター(当教室 片岡圭亮が中心)が共同設計し、慶應義塾大学医学部を含む共同研究コンソーシアム*1により検証された造血器腫瘍遺伝子パネル検査です。本検査は日本血液学会が発表した造血器腫瘍ゲノム検査ガイドライン*2に基づき、造血器腫瘍において重要な遺伝子異常を網羅的に検出できるように設計されています。ヘムサイトはヘムサイト診断薬とヘムサイト解析プログラムの2つの要素で構成され、より正確な診断、治療、予後予測を支援します。

ヘムサイト診断薬*3 末梢血、骨髄液、組織または体腔液より抽出したDNA及びRNA中の造血器腫瘍と類縁疾患の遺伝子変異の検出のための塩基配列情報の取得する一連の検査。
ヘムサイト解析プログラム*4 ヘムサイト診断薬で得られた塩基配列情報を入力することで、その解析結果の表示及び出力を行う。造血器腫瘍及び類縁疾患患者を対象とし、腫瘍などの包括的なゲノムプロファイリングを取得する解析プログラム。

*1:国内初の造血器腫瘍遺伝子パネル検査 —「ヘムサイト」の製造販売承認取得について— (https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2024/9/24/28-161872/)
*2:造血器腫瘍ゲノム検査ガイドライン(http://www.jshem.or.jp/genomgl/home.html)
*3:ヘムサイト診断薬ドラッグインフォメーション(https://www.otsuka-elibrary.jp/product/di/hem/index.html)
*4:ヘムサイト解析プログラムドラッグインフォメーション(https://www.otsuka-elibrary.jp/product/di/hep/index.html)

ヘムサイトで報告対象となる遺伝子異常

ヘムサイトでは、患者さんの造血器腫瘍や類縁疾患の細胞の特徴を調べるために、造血器腫瘍と関連することが知られている300種類以上の遺伝子を網羅的に調べます。解析結果の解釈は複雑であるため、「エキスパートパネル」と呼ばれる専門家の集まりで検討し、主治医へ報告します。この遺伝子パネル検査は、主治医の判断に必要な情報を提供するものであって、がん遺伝子解析の結果が、主治医の判断よりも優先されることはありません。

報告対象となる遺伝子異常

解析方法 報告対象遺伝子
DNA解析 体細胞における一塩基置換、及び短い挿入/欠失の遺伝子319種類
構造異常の遺伝子329種類
RNA解析 体細胞における融合遺伝子/構造異常の遺伝子197種類

特定の遺伝子19種類におけるアミノ酸変化37種類(座標および塩基変化115個)は迅速結果返却が望ましいFast-track対象遺伝子異常*5として、より早期な結果返却に努めます。

*5:造血器腫瘍ゲノム検査ガイドライン2023年度版『このガイドラインについて』「9. 遺伝子パネル検査結果の迅速返却について」(http://www.jshem.or.jp/genomgl/about.html#a09)

参考資料

慶應義塾大学医学部がんゲノム医療センター/腫瘍センターがんゲノム医療ユニット ホームページ
https://genomics-unit.pro
国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター ホームページ
https://for-patients.c-cat.ncc.go.jp
造血器腫瘍ゲノム検査ガイドライン 2023年度版
http://www.jshem.or.jp/genomgl/home.html