診療 外来診療のご案内
血液内科の診療の特長
血液内科では、健康診断で指摘された白血球・赤血球・血小板数の異常値や異常細胞の出現、リンパ節の腫脹、血液凝固の異常などから血液疾患が疑われた方だけでなく、かかりつけの医療機関で血液疾患(鉄欠乏性貧血、特発性血小板減少性紫斑病などの良性疾患や、白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍)と診断された方を対象として幅広く診療を行っています。
血液疾患もしくはその疑いのある方について、ご紹介を受けつけており、1年間にご紹介いただく初診患者さんはおよそ400名にのぼります。
血液内科で扱う疾患の大多数は、いわゆる難病や造血器腫瘍であり、その診断や治療には専門的な知識と経験が必要とされます。当科は、日本血液学会認定血液専門医15名を含む30名の医師が在籍する日本血液学会認定血液研修施設であり、毎日、血液専門外来で診療を行っており、十分な経験と実績のある施設です。
多様化する造血器腫瘍や難治性血液疾患に柔軟に対応し、従来からの化学療法に加えて、分子標的薬剤、さまざまな造血幹細胞ソースを用いた造血幹細胞移植を積極的に取り入れ、正確な診断とエビデンスに基づく治療を検討し、患者さんやご家族のご希望を尊重しつつ、それぞれの患者さんに最適な治療法を選択することを心がけています。
特に、適応症例には、造血幹細胞移植を積極的に行っており、1984年から開始した同種造血幹細胞移植は、累計で900件を超えており、良好な治療成績をあげています。自家移植とあわせた造血幹細胞移植の累計は1500件を超え、国内有数の移植施設となっています。
また、血液疾患の治療にあたっては、全身のさまざまな臓器に合併症を認めることが多々ありますが、各科との良好なチームワークにより質の高い診療を提供できることも当院の特徴と言えます。
対象疾患
- 急性骨髄性白血病
- 急性リンパ芽球性白血病
- 慢性骨髄性白血病
- 慢性リンパ性白血病
- 骨髄異形成症候群
- 真性赤血球増加症
- 本態性血小板血症
- 骨髄線維症
- 悪性リンパ腫
- 多発性骨髄腫
- キャッスルマン病
- 再生不良性貧血
- 発作性夜間ヘモグロビン尿症
- 鉄欠乏性貧血
- 特発性血小板減少性紫斑病
- POEMS症候群
- 成人T細胞白血病リンパ腫
- 骨髄増殖性疾患
- 自己免疫性溶血性貧血
- 血友病
- 凝固因子欠乏症
- 血球貪食症候群
次のような症状を扱っております
- 白血球が多い・少ない
- 赤血球が多い・少ない
- 血小板が多い・少ない
- リンパ節の腫大
- 脾臓の腫大
- 出血しやすい
- 血が止まりにくい
- 連日著明な寝汗をかく
- 造血幹細胞移植が必要と言われた
がん生殖外来について
がんの治療においては病気に対する治療がなによりも優先されます。しかしながら化学療法や放射線療法などの治療内容によっては、将来子どもをつくる能力(妊よう性といいます)が損なわれることがあります。当科では当院リプロダクションセンター がん生殖外来(http://www.hosp.keio.ac.jp/annai/shinryo/reproduction-center/)と協力し、病気に対する治療の前に、ご本人の意思に基づいて、受精卵や精子・卵子を凍結保存することで、妊よう性の温存を図っています。がん生殖外来受診をご希望の方は担当医までお申し出下さい。
妊孕性温存についての目的、意義、適応などについては下記で詳述しております。